nINe
「早速ですが、昨夜、客野くんと電話してますね?」


「っ‥はい。」



何かヤダ…。



どうしてこんなこと聞くの?



「30分、何を話したのですか?」


「っ…何って…。」


「じゃあ、警察が訪ねてくること。とか。」


警察の人は疑ってるように私に聞いてくる。



「そんなこと一言も話してません。」


「では、やってないと証言しろと?」


「そんなことも言ってません!」


何かイライラする。



「では、何を話したのですか?」


「‥心配かけてごめんって…。」


「30分も?」


「っ…やってない人を捕まえるのが警察ですか!?」


私は警察の人を睨んだ。



「こちらは証言をもとに捜査してます。」


「嘘の証言だとしたら?」



疑ってかかる警察なんて嫌い。



警察の人は顔を合わせ、もう一度私を見た。



「丗那さん。落ち着きましょう。」


落ち着いてられるわけないじゃない。



こっちは恋人が犯人に仕立て上げられているっていうのに。
< 374 / 394 >

この作品をシェア

pagetop