CL




おずおずと残りのポッキーを差し出してくる会長に、俺は思わず笑ってしまった。

笑いが収まってから、きょとんとしている会長を見上げる。

目が合ってから、言う。


「ポッキーより、こっちが欲しいかな」


言いながら、会長の後頭部へ手を回す。

会長もとっくに意味がわかっているのか、ポッキーを引っ込めながら赤くなる。けれど抵抗はしない。

ゆっくりと引き寄せて、鼻先をぶつける。

至近距離で見つめ合うのが苦手なのか、会長はボッと赤くなって、ぎゅっと目を閉じた。


あーあーもうホンット可愛いな俺の彼女。


この照れ顔とか、泣き顔とか、これから全部独り占めしてやる。

なんて思いながら、俺はチョコより甘い彼女の唇を、パクッと美味しくいただいた。






end.




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