CL
生徒会室に入ったすぐそこで頭を抱える俺の心境をぜひとも理解してほしい。
なにゆえ牛乳を買ってこなければならなかったのかなるほどこういうことか!
っていうかなんで黒猫連れて来ちゃってんのこの人!
いや黒猫と会長のセットとか写真集の1ページにしたいくらいには可愛いけどね!
そこに異論は全然ないんだけどね!
いやそんなこと言ってる場合じゃなかった!
「会長何してんですかマジで!!」
「むむ?何って、なんなのだ?」
「ここ学校ですよ!?」
「それくらい知っているのだよ?」
「じゃあ勝手に猫とか猫とか猫とか連れて来ていいわけないじゃないですか!!」
「しまった!そうか、犬ならよいのか!」
「ダメだこの人ド天然すぎる!!」
そういう意味で言ったんじゃないってわかんないかなこの人!
いや天然な会長はとっても可愛いんだけど!
俺は買ってきた牛乳の入った袋を自分の座るデスクに置くと、そのままの足で会長の座る大きな椅子へと歩み寄る。
会長は両手で黒猫を抱っこした状態で、上目に俺を見上げる。
くそ!意味わからん可愛い!
という思いをなんとか振り切って両手を差し出してみせた。
「……むむ?なんだね少年、この手は」
「会長、とりあえずその黒猫を外に連れて行きますんで渡してください」
途端に会長の表情が変わった。
怒りの表情に変わった。
それすら可愛く見えてしまう俺はそろそろ病院に行った方がいいんじゃないだろうか。