CL
会長は黒猫をぎゅぎゅっと抱き締めて、かばうように体を縮めこませる。
「ダメなのだ!この子は渡さないのだ!」
「ちょ、会長マジかわいいんですけどってしまった口が滑った!」
「そんなこと言っても渡さないのだー!」
「だからここは学校なんで黒猫とか黒猫とか黒猫は連れて来ちゃダメなんですってば!」
「じゃあ白色に塗ればよいのだな!?」
「そういうこと違う!っていうか塗っちゃう方がダメな気がする!主に猫が死ぬ的な意味で!」
「じゃあどうすればよいのだーッ!」
「あーもうその前になんで連れて来ちゃったんですか!!」
「道に捨てられていたからに決まってるではないか!!」
「決まってるんだ!?」
「かわいそうだったから今日からわたしと一緒に住むのだ!」
「じゃあ家に連れて帰ってくれません!?」
「だから連れてきたのではないか!!」
「え、会長ここ住んでんすか!?」
「へ、返答に間違ったのだ!ちゃんと家はあるのだ!でもこの子と離れたくないのだーッ!!」
ぎゅーっと黒猫を抱きしめる会長。
なんか、なんだろう、この妙な敗北感は。
一応確認すると俺会長の彼氏だよね?そうだよね、間違いないよね?
で、会長は俺の彼女でいいんだよね?何かの間違いとかじゃないって言ってたしね?
そんで会長は黒猫を抱きしめるみたいな感じで俺に抱き着いてくるとかそういうのあったっけ?なかったよね?
なのに今この会長さんは黒猫をそれはもう愛しそうに抱き締めているわけだよね?
なるほど、ということは今日からコイツは俺のライバルか。上等だ。