CL
「……わかりました。じゃあその黒猫は生徒会室のみ連れてていいです」
「ほ、本当だな!?」
「ただし!」
「む!?」
「俺が世話します」
「むむ!?」
「ということで黒猫渡してください。牛乳あげます」
再度両手を差し出すと、会長はいぶかしげな目でこちらを見上げた。
すっげー疑われてる。ひどい。
いや本音はたしかに“会長と黒猫を出来るだけ離したい”って感じなんだけど生徒会室で飼っていいっていうのもまた本当だ。
なのに会長は黒猫を手放そうとしない。
俺どんだけ信用ないんだろう!
「……なんか怪しいのだ」
「な、何がでしょう!」
「今噛んだのだ!ダメなのだ渡さないのだ絶対外に連れていっちゃうのだ!」
「連れていきませんって!信じろ!!」
「書記がタメ口になったのだ!」
「書記って言うな!なんか見下されてる気がするから!!」
「ダメなのだー!渡さないのだーッ!」
「あーもうわかりましたよ!いいですよ!牛乳あっためてきますッ!」
自分信用なさすぎだろっていうのと黒猫に負けそうな雰囲気がとてつもなく悔しくなったので、勢いに任せて牛乳の袋を引っ掴みちょっとした給湯室的な部屋に向かった。
猫とか飼ったことないからどれくらいあっためたらいいんだろうと思って、そういえば猫舌って言葉があるからたぶん熱いのはダメだよなということでぬるいくらいにあっためてみた。
ライバルにも優しい俺って超偉い。