CL




「っだー!イッテェよお前なんなのホントなんなの!」

「ミャー」

「なんだよ喧嘩売ってんのか上等だコノヤロふぶっ!?」


本気と書いてマジで喧嘩売ってると思った途端に口を舐められた。

なんかそういうとアレだけど舐めてきたの猫だから別にうれしくない。

っていうか顔中舐められてる気がするんだけど喧嘩売ってるんじゃなかったのかコイツ!


「いきなり飛びかかってきたからマジで殺されるかとはぶっ!」

「ミャー」

「だから口を舐めるな喋らんねーだろって眼球を舐めようとかすんなそれこそ死ぬ!!」

「ごろにゃー」

「うおおおくすぐったい!っていうかなんか懐いてね!?お前めっちゃ懐いてね!?」


ごろにゃーとか言ってスリスリされ始めたのでこれはもう完璧に懐かれてるとしか。

そういえば動物園とかにある小動物と戯れるコーナーとかに行くとうさぎとかモルモットとか、とにかく動物に寄ってたかられて懐かれてた記憶があるんだけど俺。

最近めっきり動物と戯れないから忘れてたわ。

と思いつつもこのままずっとスリスリされても困るので、黒猫を両手で抱え上げて起き上がることにした。

ちくしょうライバルに乗っかられるとか俺のプライドが。ってプライドあったのか俺は。

などという悲しい自問自答をしながら「よいしょ」と起き上がると、目の前に会長がいらっしゃった。

超至近距離でしゃがみ込んでる会長さん。しかも表情がむすっとしている。

しくった。





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