CL
「…す、すんません黒猫お返しいたします!」
会長は根っからの女王様なので、自分の気に入ったものとか好きなものを取られるのが嫌なのだ。
だから黒猫もまた然り。
慌てて黒猫を会長に返そうとした俺は、しかし会長は俺の手の中に居る黒猫を見下ろしてむっとした口調で。
「……ずるいのだ」
「…………。はい?」
「この書記くんはわたしのなのだ!おまえがチューしちゃダメなのだーッ!」
「…………。!?」
何故かこの会長、さっきのさっきまで可愛がってた黒猫に説教してるんですけど。
いや、いや待て。いや落ち着け。
この人今なんて言った。
“この書記くんはわたしのなのだ”って言ったよな。間違いないよな。
で、書記っていうのは俺のことだよな。俺この生徒会の書記だもんな。
…………あwせdrftgyふじこlp;!!!!
やべえ!やべえなんだろうこの子可愛すぎる!!かわいすぎるたまらん死にそう!!
と思ってしまえば最後。
いまだに黒猫に怒っている会長を遠慮なしに抱き締めていた。
ぎゅーっと。それはもうぎゅーっと。