CL




「むぐっ!?」

「……悪いんやけど、ツキコ、その辺にして」

「…な、なんが…!?」

「お前さ、俺が男だってちゃんとわかっちょるんよね?」

「え、当たり前やん違ったらあたしどうすればいいんよ!?」

「あと25歳でまだまだイケます」

「……はい?」

「しかも最近ご無沙汰でだいぶ飢えちょるんやけど」

「…………っ」

「全部言うと今しんけんツキコのこと抱きたい」


ホントに言ってしまったら結構ハズかった。

でも嘘じゃなくて、本気で。

本気で大事なヤツだから、本気で欲しいのだ。

臆病な自分とは、今日でお別れ。っていうかさっき別れてきた。

ツキコのことが好きだと認めた瞬間から、そこにもう境界線はない。

あとはただ、“0の距離”が欲しいだけ。

ツキコはぎゅうっと、俺の服を掴んできた。




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