CL
「……い、いまさら恥ずかしくなってきた…さっき自分で言ったんに…」
「そういえばそうやったね」
「…しょ、処女ってめんどくさいって聞いたことあるんやけど…あ、あたしめんどくさいかもよ…」
「本当に好きやったらそんなん思わんやろ」
「…き、キイチくんは思わんの…?」
「思わん」
誤魔化さず、はっきりと。
「…ツキコの“初めて”が、バレンタインプレゼントってことで欲しい」
なんて、キザなセリフだ。
けれどツキコは、恥ずかしそうに、それ以上に嬉しそうに、クスクスと笑った。
「……バカ」
――そんなん、あげるに決まってるやん。
きっともう、2人の間に距離はない。
会えなかった7年、そして7歳という年の差。
全部埋めるように、2人の間の距離は“0”
end.