CL
「あー、もう!ありえん!いきなり引っ張らんでよ!」
「ごめんごめん」
「反省しちょらんやろ」
「うん」
「バカ!」
「はいはい」
「せっかく髪の毛ちゃんとしてきたんに意味ないやん!」
とかなんとか文句を言いながら、でも抱き締める俺の手から逃げることはしない。
腕を回したツキコの腰は本当に細い。
けれどあたたかくてやわらかい。ツキコの抱き心地はとてもよくて、離したくなくなる。
その白い首筋に顔をうずめると、彼女の匂いがして一層離したくはない。
安心するし、眠くなる。
「……キイチくん」
「……ん?」
「今すっごい眠りそうやない?」
「……んー」
「もう!ホント信じられん!」
バシッと頭を叩かれた。
割と本気で叩かれたので結構痛い。
結婚したら鬼嫁になりそーとか思いながらも離さない。