CL




「せっかく遊びに来たらまだ寝ちょんし!起こしても起きんし!」

「……眠いし」

「起きろ!休日なんやけん彼女をどっか連れて行くとかしろ!」

「…社会人の休日は休むためにあんの」

「もう!」


あんまりもうもう言うと牛になるよと言ったらまた叩かれた。

口より先に手が出るツキコ。

図々しいし凶暴だし。そんなツキコを嫁にしようなんて思うのは世界中どこを探しても俺だけだと思う。

まあそれはそれで好都合だ。独り占めできるし。

一向に起きようとしないし離そうともしない俺に、さすがのツキコも諦めたのか、小さくため息をついた。


「……もーいいや。キイチくん仕事忙しそうやし、休める時に休みたいよね」

「……うん」

「じゃあ今日は一日ゴロゴロする日に決定」

「…それはどうも」

「でも寝るのはもったいない」

「えー…寝る」

「せっかくあたしが来ちょんのに寝るんや。キイチくんひどい」

「……はいはいわかった起きてますよ」


恩着せがましいというか、なんというか。

まあでもこれがツキコだししょうがない。

そんで言うことを聞いてしまうのが俺だからしょうがない。




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