CL
「……なんか今日キイチくんキス魔やね」
「……キスしたいんで」
「へんたいっぽいー」
「…嫌ならしないけど」
「嫌やないよ?キスするんはあたしも好き」
「……そりゃよかった」
言ってからまた、彼女の唇をついばんだ。
戯れるようなキスが楽しいのか、ツキコは顔を離すと笑った。
こんな些細なキスでツキコが笑ってくれるならずっとしていたいように思う。
だからもう一度、キス。
そのまま、また首筋に顔をうずめて、彼女の匂いを嗅いだ。
ツキコは小さく笑って、俺の耳をつついた。
「……眠くなってくるね」
「……じゃあもう寝る」
「それはダメ。起きちょくとー」
「…ツキコ頑固ー」
「しゃーしいでーす」
今度は耳を引っ張られる。痛くないので気にはならない。
その手はまた髪の毛に移動して、髪の毛で遊び始める。気に入ったらしい。
そうかと思えば、ツキコは俺の髪の毛をくんくんと匂った。
「……シャンプー何使いよんの?」
「……えーなんだっけ。CMしてるヤツ。忘れた」
「思い出すんが面倒くさいだけやろ」
「…そうとも言う」
「もう…。でもこの匂い好き」
「……どーも」