CL
「……うぅっ、なんかもう恥ずかしい…」
「……恥ずかしいって」
「…だってなんか…なんか…」
「……なんか、なに?」
「……い、言えんしバカっ」
ペシッと、またもや頭を叩かれた。
けれどわかる。ツキコが続きを言わない理由。
首筋の、ツキコの匂いが濃くなった。
……あー、なんか。つられた。
彼女の匂いが美味しそうで、思わず首筋を甘噛み。
ツキコはぴくっと肩を上下させた。
焦ったように、噛み付く俺の肩を押して離そうとする。
「…ちょ、ちょっと待って…」
「……違った?」
「……な、なんが?」
「…ツキコが言いたかったのは、こういうことじゃなかった?」
ワザと尋ねる。意地が悪いことは百も承知だ。
途端にツキコの首筋が熱くなる。当たりだ。
あー今顔を上げたら、ツキコの真っ赤に染まった頬が見れるんだろうなーなんて思いながらも、歯を立てたそこから離れない。
この匂いをもっと嗅いでいたい。
甘噛みするのをやめ、今度は唇をつけて吸う。