CL




「そっかそっか。よかった~。体はどう?キツくない?」

言いながら、僕の答えも聞かずに先生は右手を伸ばし、前髪の上から額に手のひらを当てた。
それからすぐに手を離し、「うん」と。

「熱は下がってるみたいだね」
「……そうですか」
「うん。どうする?帰れる?」
「…今、何時ですか」
「ん、えっとね…」

先生は左手を持ち上げて、白衣をずらして腕時計を確認する。

「…もう5時近い。まあ、放課後だよね、放課後」

放課後。
そんなに眠ってたのか、と僕は先生から視線を逸らし、すぐ目の前にあった白いシーツに瞬きをした。





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