CL

「……あーもう、ハナ、ストップ」

「え、な、なに、なにが！？」

「それ以上可愛い顔されると、ホント止まんなくなると思うけん」


とてつもなく近い距離で、とてつもない爆弾発言された。

そんなこと言われたら、逆にストップできないんだけど、あたしどうしたらいいの。

なんてたぶん、答えはひとつで。


「……い、いいよ、ナオ。と、止まんなくても、いいけん」

「……ハナ、それいけん」

「な、ナオが、あたしのこと本気で大事にしてくれちょんことは、しんけん伝わったけん……あ、あと、その、我慢しよるんは、ナオだけやない、し……」

「……マジで？」

「……う、うん。マジで…」


好きな人に触れたい、触れられたいって思うのは、当然のこと、でしょう？


あたしはナオを見上げた。

ナオはあたしを見下ろした。

ゆっくりと重なった唇に、最後の境界線は音もなく消えた。


なんだかやっと、“幼馴染”を超えたかも。





【おわり】