CL




つまり、コイツが言いたいことって、ホントは私が、ずっと黒崎を意識してたって、そういうこと……?

ありえない、ありえないありえないありえないありえない!

そんなわけない、そんなわけないって、思うのに。


「先輩が今日一日仕事できなかったのが俺のせいなら謝ります。すみませんでした」

「…………っ」

「でも、ここまで来たらもう引き返しませんから」

「……こ、ここまでって…」


ここまで。

私が引いていたその線を、黒崎はいとも簡単に超えてくる。

越えてこないで。お願いだから。

じゃなきゃ私は、きっと。

きっともう、嘘をつけない。


「目が合う時、先にこっち見てたの、ホントは先輩ですよね」

「…………っ」

「俺にチョコくれなかったのは、本命って認めたくなかったからでしょう?」

「……そ、そんなことっ…」

「意地張ってないで、そろそろ認めたらどうですか?」


ムカつく。ホントに果てしなく。





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