CL
心臓が破裂した。
ような、錯覚を起こした。それくらいドキドキした。
カァッと、顔だけじゃなくて、もう体全部が赤くなって熱くなるのが嫌って言うほどわかってしまった。
口は何か言おうとパクパクするのに、声は丸きり出てこない。
そんな鯉みたいな私を見て、黒崎はまたクスクスと笑う。
「先輩すっごいウブなんですね。冗談ですって。俺もそこまで一気に攻めませんから」
「な、な、もう、やめてよバカっ、死ぬかと思ったじゃん…っ」
「すみません。照れてる先輩っていじめたくなるんですよね」
「サイテー…」
「じゃあ、次はホント」
「……うん」
「先輩の唇、欲しいです」
またカッと熱が上がる。もう私の体温は上がりっぱなしで、下がる道を知らないらしい。
っていうか、キスって言えばいいじゃない!そんなこと言うから、私の脈拍おかしくなるんだから!
「…そ、それは昼間にあんたが…!」
「もらいました。でもあんなんで足りるわけないじゃないですか」
「なっ……」
「言っときますけど、俺23歳の男ですよ?」
「し、知ってるけどっ…」
「じゃあどんくらい欲しいかってのもわかりますよね」
「わ、わ、わかっ、わかんないっ…!」