CL

生徒会編





「……会長」

「なんだい」

「今日は何の日か知ってますかー」

「2月14日はバレンタインデーなのだよ少年」

「会長、チョコ!」

「ない」


椅子に浅く腰掛けてテーブルに両足を交差して乗せるという格好をした会長に思い切り右手を差し出した瞬間、そう即答された。

途端に俺の右手はテーブルにあっけなく脱力する。そんなに即答しなくてもいいと思う。

会長はポッキーを咥えたままもごもごと喋る。


「というか、キミはなんだね。わたしからチョコレートとかいうのが欲しかったのかね」

「もちろん!欲しかったです!」

「ふむ。このわたしがチョコレート大好きということを知っての言葉なら今すぐ屋上から飛び降りてくればいいのだよ、少年」

「丁重にお断りさせていただきます」


夕暮れの生徒会室。生徒会には会長と俺を含め4人居るはずだが、他の2人は本日生徒会に姿を現していない。

会長以外は全員男子という生徒会。

他の2人は今日がバレンタインということで彼女と仲良く下校していったのだろうと思われる。

くそう、ふざけやがって。お前等の今日の仕事が全部俺に回ってきてるんだぞ。今度生徒会室のドアのところに黒板消し挟んでてやるんだからな、覚悟しておけコノヤロウ。

まあ、ヤツ等が溜めておいた仕事を今日一日で全部終わらせろというこの会長もどうかとは思うけどね。っていうか手伝ってくれてもいいと思うよ。とっても。





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