CL
…とか言いながら、内心すっげーテンションアップ。
だって今会長否定しなかったよ。しなかったよマジで。
これはちょっと期待してもいいんじゃないんだろうか。あと一押しなんじゃないだろうか。いやもうちょい?まだまだか?
猫みたいに気まぐれでド天然で我儘な会長をどうにかこっち向かせるために、今まで俺がどんだけ頑張ってきたことか。思い出したら泣けてくる。
そんな俺の努力がそろそろ報われてもいい頃合いだと思いたい。でなければ死にたくなる。
今日だってもらったチョコは、ホントは全部義理なのだ。本命は断った。
義理も断ろうかとさえ思ったけど、悪友共が「贅沢だぞキサマ」「さすがに義理はもらえよキサマ」「殺すぞキサマ」と大変恐ろしかったので貰うことにしたのだ。アイツ等マジ怖い。
なので袋の中身は全部義理。でも会長には秘密ってことで。
もしかしたら妬いてくれてるのかもしんないし。それなら教えたくなんかないし。
会長は勢いなのか、袋を出してしまったポッキーの空き箱をガジガジ噛んでいたのだが、さすがに不味かったのかすぐにペッと吐き出した。
生徒会室の床に飛んだ空き箱は、パコッと乾いた音を立てて落下した。
「もうよい!チョコはいらぬ!ポッキーで十分なのだ!」
「っていうかまず会長が俺にチョコくれなきゃなんない方ですからね?会長がチョコくれっていうのは3月14日ですからね?知ってます?」
「そんなの関係ないのだ!チョコは全部わたしが食べる!少年にはあげないのだ!」
「かいちょー太りますよー」
「うるさい!というか、キミは早く面白いことをしたらいいのだよ!」
「あ、まだ言ってたんですか…」
「うむ、もちろん」