狼さまの赤ずきん
千歳side




叫んでみたけど…聞こえるわけないよね。



そのとき


ガチャン!!
「千歳!!!!!!」



り…っちゃん??



「りっちゃぁぁん」




りっちゃんがあたしの元へ走ってきてギュッとあたしを抱き締めた。



「千歳…よかった」


「りっちゃんゴメンね。」

「別に、で、何があった?」

「あ、あのね、帰ったらね、ガチャンって音がして……」



「千歳、もう大丈夫だから落ち着いて話せ。泣かなくて大丈夫だから。」




「あたし泣いてないよ?」



「は?自分で気付いてないのか?」

「え」



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