狼さまの赤ずきん
ペタペタと頬をさわると
あれ…濡れてる?
「…………」
「…………」
「………ブッ」
りっちゃんが吹き出した。
ずーっと笑っている
「ひ…っどーい!そんな笑わなくてもいいでしょー!!」
「クスクス……ご…ゴメン………けど、そのくらい怖かったんだな、泣いてるのも気付かないくらい。」
そういってりっちゃんはあたしを強く抱きしめ
「ゴメンな、泣かせて」
「りっちゃん……あたし大丈夫だよ!!りっちゃんが来てくれたからもう怖くないよ!」
「そっか、ならよかった。…ところで千歳?」
「なに?」
「“りっちゃん”って何?」
ひっ……!!
「小説読んでる皆様、伝わりますでしょうか、このりっちゃん……龍さまのお怒りの顔!!!!笑ってるのに、怒っております!」
「レポーターか!そんなこと言ったら、小説読んでくれてる方に誤解されるだろ!………で、りっちゃんって何?」
誤解じゃ…ないよね、うん。
鬼のような笑顔は、誤解じゃないよね?!
「…ごめんなさい、怖くて呼び方戻りました。」
「……ニコリ…そっか」
ちょっと待って!ニコリ…じゃなくてニヤリだよ!
「ごめんなさぃぃぃぃ!!!!」