ツンデレ彼女の条件
☆☆
―あれは、俺がこの高校に入学して間もない頃。
『あっきらー!』
幼なじみの楓が、授業が終わり俺のクラスへと来た。
『おう、楓』
教科書を片付けた俺は、軽く手を上げて彼の元へ歩いて行った。
『どうしたんだ?クラスまで来るなんて』
『どうしたじゃねーよ!俺の隣のクラスにめっちゃ美人がいるんだ!見に行こうぜっ!』
興奮気味に語る楓に引きつつ“美人”という言葉に反応していた。
『美人…か。』
どんな人なんだろうなぁ…。
まぁ、俺なんか相手にされないだろう。
『とにかく!行くぞっ』
『ちょっ』
楓は俺の手を強引に引っ張り、廊下を駆けて行く。
その時に、俺はすれ違った女の子と一瞬
目が合った気がした。
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