風神Ⅱ
そんな構って欲しいというような子どもじみた独占欲が風雅の残る原因となったのかもしれない。
「お前ほど不器用となるともはや天然記念物並だな。」
馨は笑いをこらえながら言う。
そんな馨を風雅は何か言いたそうな顔で睨む。
「あぁ、言っとくけど空良は伝えることに関して不器用なだけでお前みたいに行動にまで出る程じねぇぞ。」
風雅の考えを先読みした馨は言い聞かせるように言う。
それに対し風雅は黙り込むことしか出来ない。
観察力では風神の中で一番であろうこの男はいつものようにだらしのない笑みを浮かべて空を見上げる。