風神Ⅱ
「真城ってさ不思議な奴だよな。」
突然話はじめた馨に風雅は返事を返さずにじっと耳を傾ける。
馨も返事を期待していなかったようでそのまま話しはじめる。
「今までいろんな奴の顔色伺ってきたけど正直真城にはお手上げだよ。」
馨は降参とでも言うように両手を上にあげた。
「いつも無表情で顔色一つ変えずに、そのくせ時々凄い寂しそう泣きそうな顔してそれでも泣かない。」
「……………。」
「真城が何を背負って苦しんでんのかなんてわかんねぇけどよ、もし真城が俺たちとの間にある壁を取り払って全てを打ち明けてくれたとき俺は仲間として受け止めてやりてぇ」
仲間として全てを受け止める……
風雅にはそれが馨の決意のように思えた。
それとどうじに風雅自身に対しての問いかけのようにも聞こえた。