風神Ⅱ
浮かんできたのは旭よりも暗めの赤髪。
「……あの男。」
このお腹の痛みがあいつのせいだったと思いだし眉を潜める。
しかしそんなことよりも今はここを脱出しなければ。
何分 気を失っていたのかわからないけどきっと風雅達もあたしか拐われたことに気ずいているだろう。
また迷惑をかけてしまった。
罪悪感で胸が痛む。
あたしはこの部屋にある唯一の鉄の重たそう扉まで歩く。
そして、ゆっくりとドアノブを回す。
しかし全部回ることは叶わずガチャガチャと鍵がかかっている音がする。
この部屋にこの扉以外での扉はない。