風神Ⅱ
それぞれの中心
ゆっくりと瞼をあける。
周りを見渡して時計を見ると、すでに時刻は朝の七時を回っていた。
風雅に連れてもらってから一度も起きずに寝ていたらしい。
何となく体を起こし立ち上がろうと床に足をついた時だった。
スッと襖が開いて風雅が入ってきた。
「…………。」
「…………。」
お互いに言葉を発せずに長い沈黙が続く。
それを破ったのは風雅だった。
「…どこ行くきだ。」
「…えーと……散歩?」
「許すと思ってんのか。」
そう言って風雅は睨みをきかせてあたしをベッドに戻した。