人こそ美味 part2

「囚人の気分になってみる?」

そう言って鉄格子の扉を開ける。

秋菜は首を振って断った。

「純君は何で付き合ってくれたの?」

雅が駄目なら秋菜…という邪な考えの為なんて口が裂けても言えない。

「可愛いからいいかなって」

鉄格子の扉を閉めながら、ありきたりな理由を述べる。

「それじゃぁお互い好きになりましょう?」

俺より頭一つ分小さい秋菜は俺を壁に押し付け、唇を重ねてきた。

「…と言っても私はもう好きよ」

一度唇を離して、甘い声で囁くと再び唇を重ねた。

何度も角度を変え、徐々に濃厚な接吻へと変わる。

どちらのか分からない唾液が秋菜の口元から垂れる。

俺はそれを舐め取り、そのまま首筋に舌を這わす。

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