人こそ美味 part2
俺の大切なモノ
「永原は大切なビジネスパートナーだ。お前が居なくなったら俺は飢え死にしちまう。…俺にはお前が必要なんだ」
自分で言って悲しくなった。
愛してると言ってはいけない関係。
今以上の関係を望んで、失うのが怖い。
俺は愛する女は殺したりはしない。
親父は母を殺してコレクションにしてしまった。
愛する者の美しさが欲しかったから。
親父の事は、親としても殺人鬼としても尊敬出来るが、愛する者を殺す所だけは理解できない。
俺は親父と同じ外道を歩いているが、同じ事は絶対にしない。
親父はコレクションにする女を自分で連れ込んでいた。
でも俺は自分では連れ込まない。
それが親父と俺の違うところ。
俺は永原から買う事で喰う女に好意を抱いたり、欲情してしまうのを防いでいる。
自分で自分好みの女を連れ込んだら、溜まっている自分が何を仕出かすか判らない。
永原から買う事で女は牛や豚、鶏の様な食用動物にしか見えなくなるのだ。