人こそ美味 part2
「なぁ…いつまで俺を一人にする気だよ」
あの日泣いた目尻にキスを落とした。
すると、おとぎ話の様に雅は目を覚ました。
「…ッ……ん…純?」
「雅!!」
思わず起き上がった雅を抱きしめた。
「うっ…じゅ、純苦しいよ」
嬉しくて目を瞑っている俺には見えないが、多分雅は苦笑いをしている。
「あぁ良かったぁ。このまま雅が起きなかったらって、俺不安で…」
抱きしめる腕に力を込めると、背中を叩かれたので抱擁から開放してやった。
「あぁ~殺されるかと思ったァー」
胸に手を当て大袈裟な溜息をつくと、雅は意地悪な微笑を浮かべる。