人こそ美味 part2

「あぁー!!痛い痛いッ!!」

反射的に女は俺の手首を掴んだ。

「お前いちいちムカつくんだよ」

涙がマスカラを溶かし、黒い涙が頬に何本もの線を作っていた。

黒い涙と鼻水で女の可愛らしい顔はぐちゃぐちゃになってしまった。

「永原、外出てな」

俺は今からこのムカつく女を殺す。

出来れば永原にその光景を見ていてほしくない。

「やだ。最後まで見る」

永原は強い口調で言った。

永原の真剣な表情から本気なんだと窺える。

「いやっいやいや!!殺さないでっ!!」

俺は髪を掴んでいた手で女を白い床に投げた。

「きゃっ!」

立て膝だった女はうつ伏せに倒れた。

俺は素早く女の肩を掴んで仰向けにすると、馬乗りになり細い首を両手で掴んだ。

「ぅがっ」

力を込める。

親指が白い肌に吸い込まれる様に深く深くめり込む。

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