人こそ美味 part2
とろけ出た液体をしばらく舌の上で転がし、ゆっくりと嚥下した。
味は水に非常に良く似ている。
残った片目もくり抜き、夢中で租借し名残惜しげに飲み込んだ。
「あぁ……」
女の眼球が食堂を押し広げながら通って行くのが分かる。
俺は口内に残るゼリー体を舐めながら次に必要な道具を取り、ポケットにしまう。
女の唇の両端を耳に向かってメスを走らせた。
異常なまでに開いた口に左手を突っ込み女の舌をしっかり掴み、ポケットから肉切りバサミを取り出す。
そしてその舌を根元から肉切りバサミで切り取った。
まだ温かい舌をステンレスのトレイに乗せて、部屋の右側にある机に置いた。
次に肉切り包丁の鋭い刃を喉仏の上に当てる。
右手を、押して引いて押して引いて…出血は血抜きをしたので刃に血液が付着する程度だった。
刃が硬いものに当たる。
骨だ。
肉切り包丁の刃を上から押して一気に骨を切断する。
その勢いのまま鋭い刃はまな板に到達した。
グラグラと両目と舌を失った生首が揺れる。