人こそ美味 part2
「俺は、アリサちゃんを愛してるけどな」
「いやぁ~ん!嬉しいぃ~」
そう言って彼女は俺の腕に頬を擦り付けた。
オレンジのチークがスーツに付かないか心配だ。
「あ、何飲む?」
「さっきまで沢山お酒飲んだから、アルコールじゃないのがいいな」
オレンジジュースと要望が出たので、2日ほど前に入ってきた新人に持ってくるように頼んだ。
仕事でジュースを飲むのは久しぶりだ。
頼んだオレンジジュースを手に取り、乾杯をする。
「ユウマはアルコール頼んでも良かったのよ?」
ジュースを一口飲んだ彼女が言った。
「アリサちゃんと同じ物を飲まなきゃ意味が無いんだ」
彼女は顔を赤く染めた。
「そうね。私もユウマと同じじゃなきゃ、どんなに高いお酒でも美味しくない」