人こそ美味 part2
明け方近くまでの仕事を終えると、赤い光沢のあるトランクを愛車の後部座席に置き、ビジネスパートナーの家へと車を走らせた。
自宅からは10分で着くが、仕事場からは30分もかかる。
車内は私の大好きな洋楽が大音量で流れている。
BGMの筈なのに自己主張が激しい。
車を走らせ30分。
立派な一軒家の駐車場、家主の車の隣に停める。
愛車からトランクを降ろし、ガラガラと玄関まで引きずる。
インターホンの横、表札には“目黒”と刻まれている。
私のビジネスパートナーは“目黒純(メグロジュン)”である。
このビジネスはキャバクラで稼ぐ1日分より、お金になる。