人こそ美味 part2
俺の女たち
俺の“禁断”は二階に上がる階段の真下に、それは隠れている。
真下…地下室へと続く階段。
親父が最期に罪と一緒に教えてくれた。
“3人の家族写真が掛けられた壁の下に道がある”
壁をぶち破ると、地下室に続く階段が現れた。
地下室は親父の形見。
縦長の長方形に煙突が付いた様な形をした地下室。
階段を下りて扉を開けると、先ず目に入ったのは四方を硝子で覆われた立方体の部屋…と言うより巨大水槽。
入り口から見て、それは地下室の斜め左上に位置する。
今は巨大冷蔵庫に改造したので、硝子が白く曇っていて中が見えない。
巨大冷蔵庫のある場所は、大広間とでも言おう。
部屋は全部で3つ。
手前から2つ目の扉の先、カプセル型水槽に入った10体の女達が埃をかぶって並んでいた。
親父の“禁断”は地下室に保管した殺した女のコレクション。
10体の中には、家族写真に写っていた女…母の姿があった。
俺が物心付いた時には既に親父と二人暮らしだった。
記憶上、本物の母を見たのは初めてだった。
そんな母はとても綺麗だった。
母を含め10体の女達はとても美しかった。
多分親父は一緒に暮らす母の美しさに我慢できず、手を出してしまったのだろう。
もし俺が女として生まれて来ていたら、俺は11体目のコレクションになっていたに違いない。