人こそ美味 part2
俺の出会い方
俺たちの出会いは突然だった。
あの日は涼しくて、満月が綺麗な夜だった。
「ふあぁ~。…あぁ眠っ」
朝からホストクラブで女の相手をしていた俺は、さっき仕事が終わってメシを何処で食べるか、新宿の街を捜し歩いていた。
辺りをキョロキョロしていた俺は前方から歩いていた人と、肩がぶつかってしまった。
やべっ………。
怖い兄ちゃんが多い、しかも夜に!
慌てて後ろを振り返った。
「…ぁ」
ぶつかった相手は背が小さくて華奢な女だった。
女は虚ろな目で俺を見上げていた。
げっ!薬野郎っ。
「あの…大丈夫……?」
そう声をかけると女は一瞬目を見開き、次の瞬間には怪しい光を宿していた。
なんだ、この女!?…気持ちわりぃ。
「貴方人を殺した事あるよね?」