青春しようぜッ!!
とっさに私は川島クンの頬を一発叩いた。
頭の中は真っ白で状況が飲みこめなかった。


ステージを客席で観ていた翔也は・・・。


「テメェ! ふざけんなよ!」

ステージに向かう翔也の顔はいつもと違う表情をしていた。
タンッと体ごとジャンプしてステージに翔也は上がってきた。


バシッ!!


川島クンの頬をひとつ殴った翔也。
その音は体育館に大きく響いた。


翔也は私に寄り添い、こう言った。


「こいつは俺の女だから たとえ王子でも菜々、いやシンデレラは渡せない」


まるでシンデレラの隠れストーリーのようだった。
女の子が誰でも憧れるシンデレラ。
私も学芸会で一度はやりたかったおとぎばなし。

こんな嬉しいシンデレラは私だけかな・・・。


「なんだよ、たかがその女1人で」


川島クンは逆ギレした。



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