青春しようぜッ!!
俺は長澤に叩かれるようにして右手首を放された。
俺だってこんなんで怯む俺じゃない。

「明日の本番の最終確認がしたいんだよ いいだろ橋本」


「お前、菜々の相手役だからって調子乗るなよ」


言い合いになるなら殴り合いをしたって構わなかった。
これで橋本が振り向いてくれるなら。

しばらく沈黙が続いた。


「この際だから言っとくわ 俺、橋本のこと好きになったんだよね」

思っていたことが口に出てしまった。
でも本当のことだしな・・・。


「いつからだよ」


俺を今にも殴り掛かるような目付きで睨む長澤。


「お前が転校してくる前からだよ なかなか告白出来なかったんだ・・・」

「ごめんけどお前に菜々は渡せない こいつは俺んだから」


長澤は橋本の手を握って教室を出ようとした。

俺はまたこれからとんでもないことを口にしてしまった。


「橋本とのキスシーンがあるのに怒んないんだ」


もう後戻りをするのはやめだ。
何をしたって俺は自分の気持ちを貫き通す。


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