青春しようぜッ!!
「いいよね? 橋本さん♪」

優加がまるで何かを訴えているように私の右手を強く握ってきた。


「う、うん。いいよ」


嫌とは言えなかった。
ううん、言いにくかったんだ。
翔也に気づかれて大事になるのも嫌だから。


「じゃあ帰ろう」


「やったぁ! ありがとう長澤君っ」


最初から分かってた。
私と帰りたいんじゃなくて翔也と帰りたいんだって。
その時の優加の表情には裏があることを私は知っていた。


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