【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~




あたしの脳裏にあの美しい黒い狼の姿が甦る。



心を奮わす声で…



『紫衣』



…そう…呼んだのよ…。



まるで麻酔のように侵入し、心を身体を…痺れさせた。



美しい姿に見惚れた。



希空が言うように恋愛に疎いあたしが



まるで









――――あの獣に恋でもしているようだった。








だから……










親友の希空にすら…あの甘く狂おしい感情を言えないと…思った。









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