【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~




『……ぅ……』



口から出たのは呻き声。痛みはしっかりと戻り、やっぱりあたしの意識は覚醒したようだ。



うまく定まらない視線が捉えたのはただの真っ暗な闇の中…



ここはいつもの物置小屋だ…。



(本当にただの夢だったんだ…)



もう終わりたいのに…。神様はあたしに対してどうしてこうも意地悪なんだろう。



腫れ上がってうまく開かない右目は辛い現実を見せつける。









だけど、



あたしの不恰好な目が捉えたのは、それだけじゃなかった。






< 104 / 121 >

この作品をシェア

pagetop