【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~
『……ぅ……』
口から出たのは呻き声。痛みはしっかりと戻り、やっぱりあたしの意識は覚醒したようだ。
うまく定まらない視線が捉えたのはただの真っ暗な闇の中…
ここはいつもの物置小屋だ…。
(本当にただの夢だったんだ…)
もう終わりたいのに…。神様はあたしに対してどうしてこうも意地悪なんだろう。
腫れ上がってうまく開かない右目は辛い現実を見せつける。
だけど、
あたしの不恰好な目が捉えたのは、それだけじゃなかった。