【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~




柔らかな色



暗闇の中にほのかに光る日だまりみたいな橙色。



もう一度夢を見ているみたい…









――――同じ色の瞳と、目があった。









瞬時に高鳴る鼓動



熱くなる身体



目の前にいるのは…



まるで日だまりから生まれたような陽色の…獣。



狂おしいほどの“何か”があたしの中に生まれた。



あなたが、悪魔の使いだとしてももう別に構わない。






お願い



お願い



あなたしかいない。









『…っ…そ………いっそ……ころ…して………』



『……!』










どうか、あたしを食べて。



あなたに出逢うこの瞬間のためにあたしは生まれたはずだから。








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