【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~




この出逢いから



もう幕を閉じるんだと思っていた人生は、まるで予想もしなかった方向に転がった。



大きく美しい陽色の獣は、目を覚ましたあたしの前に、驚くような美青年となって現れた。



だって誰も予想出来ないでしょう?



義母の差し金だと思っていた獣は、あたしを花嫁として迎えに来た“人狼”だったなんて。



あたしの幕退きをするんじゃなくて…



あたしを…






『今日から…君の生きる理由は……僕だ。』


『僕の為だけに笑って、泣いて、――生きればいい。

君は僕の為に生まれて、僕は君の為に生まれたのだから…』


『生きよう』









――――愛してくれる為に現れたなんて。








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