【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~




無我夢中だった。



あがる息すら無視をして、ただ彼に向かって駆ける。



どうしてなのかわかりもしない。



見たことすらない…人。








なのに、



「……ふ…ぅ…ッ…」



…涙が、次から次に…溢れてくる。










逢いたい
逢いたい











意味もわからずそう思う。
















「紫衣……!!」



「……ぁ……」



目の前に、無邪気な子供のような笑みをたたえた彼がいる。














ただ君に……逢いたかった。












< 19 / 121 >

この作品をシェア

pagetop