【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~
「紫衣に逢いたくて堪んなくなって…逢いに来た。」
「……!」
…カッと頬に熱がついた。
なんてことをいきなり言うんだろう。…恥ずかしげもなく、そんな笑顔で。
「どうして…」
呟くほど小さな声を拾ったらしい彼は瞳をぱちぱちと瞬いていた。
「どうして?…なんでだ?
紫衣も俺に逢いたかっただろ?」
「……な…っ!」
本当に不思議そうな顔で、当たり前だとでも言いたげに…彼は首を傾げた。