【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~
パッと華やかな笑顔が咲いた。
「新月なんて見えないだろ?
でも、“確かにここにいる”からだって。」
「……“ここに…いる”」
見えない新月…鮮やかに存在を誇る彼とは、かけ離れて見えるけれど
…何故か、胸が熱くなった。
彼への強い想いのようなものを感じた。
とても素敵な名前だ。
――――月は見えなくとも常に夜空で輝いている。
うん、あなたは
「…“確かに、ここにいる”…ね?」
「……!」
――――あなたは、夢でも幻でもなく……あたしの目の前に確かに立っている。