【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~
覆った包帯から覗く白い頬を指で撫でる。
『……!』
ビク…と反射するように跳ねた強張る君の心をほぐすようにまた撫でて…優しく、優しく笑う。
『――食べてあげるよ。陽世。』
『…え…?』
グッと…顔を寄せる。
視界は彼女の顔でいっぱいになる。
『…別の方法でだけどね…?』
『えっ?えっ?―――…ンッ!?』
突如仕掛けた口づけは何度も角度を変え深く深く陽世を求めた。
陽世…
『もう、いい』と言いながら…誰よりも愛を欲しがる君に
君に愛をあげたくて仕方ない僕が…
――――全てあげよう。
『は…ァ…』
ほどけた唇から漏れた吐息が唇に触れた。
逃さないと、片方だけの瞳を見つめた。
『今日から…君の生きる理由は……僕だ。』