【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~




頬を上気させとろりと蕩けた瞳を確認して



僕は彼女の耳に囁く。



甘い甘い声をして。



それは…










『僕の為だけに笑って、泣いて、――生きればいい。

君は僕の為に生まれて、僕は君の為に生まれたのだから…』



『あたし…の……?』









――――まるで、呪文のように。










『そうだよ…?――僕は真神 橙伽、…君だけの狼。

よろしく…僕の《運命の花嫁》…』










一人じゃないよ。



君には、君を求めて止まない僕がいる。










『生きよう』



『…!!』









――――これからは、……二人で。







< 82 / 121 >

この作品をシェア

pagetop