【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~
頬を上気させとろりと蕩けた瞳を確認して
僕は彼女の耳に囁く。
甘い甘い声をして。
それは…
『僕の為だけに笑って、泣いて、――生きればいい。
君は僕の為に生まれて、僕は君の為に生まれたのだから…』
『あたし…の……?』
――――まるで、呪文のように。
『そうだよ…?――僕は真神 橙伽、…君だけの狼。
よろしく…僕の《運命の花嫁》…』
一人じゃないよ。
君には、君を求めて止まない僕がいる。
『生きよう』
『…!!』
――――これからは、……二人で。