【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~
黙り込む背に向かって甘い声を出す。
『僕の答えはお気に召さない?
それとも望む言葉でもあったかな…
遠慮せずとも言ってみたらいい。
…おまえの望むままに口にしてあげるよ』
全てを見透すそのからかうような口調に、陽世は勢いよく起き上がり大きな瞳を吊り上げた。
『~~~!結構ですっ!!橙伽様のそういう意地の悪いとこ本当に嫌…っ!!』
肌を露にしていることも忘れて、キーキーと喚き頬を膨らませフンッと顔をそむけた。
『それは残念。僕はおまえがそうやって拗ねるのも嬉しくて堪らないけれどね』
『え?』
わざとらしく溜め息をつきながら漏らせば、陽世はパッとこちらを振り返った。
その予想通りの反応にニヤニヤと意地の悪い笑みが出てきそうなのをグッと堪えてニコリと笑ってやる。
素直な彼女の瞳がキラキラと期待に輝く。
(…あぁ、楽しい)
『…どうやって苛め…いや、お仕置きしてあげようか…考えるだけでゾクゾクするからね』
『!!!』