【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~
布団の隙間から覗く細い指に自身の指をそっと絡めた。
何の反応もなく、なすがままの小さな手。
僕の愛しい、花嫁…。
…花嫁を縛りつけている自身の存在を疑問に思うのに
それ以上に
これが美しい愛の形でなかったとして、もしもこの理が消えてしまったら…陽世を失ってしまうのでは…?
…と、
異質なモノから解放されることよりも、花嫁を失う恐怖に怯える僕は…もはや狂っているとしか言いようがない。