Give Me Smile―新撰組と氷姫―
考えるのも面倒になりつつあるあたしは、簡単にチョコの説明をする。
「…甘くて、美味しい甘味のことです」
「へぇ。この団子みたいにですか?」
「…はい」
団子、ではないような気がするけど、面倒なので頷いておく。
すると、あまり気にもしていなかったのか、また山のようにある甘味を食べ続ける。
沖田さんって、あたしが未来から来たことを信じているのだろうか?
それとも、まだ監視が続行中なだけなのか…又はたた単に気分転換か…。
どれが当たりで外れかはわからないけど、今は今のことだけを考えなくちゃ。
今度こそ、下手なミスなんてしないように…。
「千春さん?」
「…!…あ、何ですか?」
数回名前を呼ばれていたのか、沖田さんが少し大きな声で名前を呼ぶ。
よくよく見ると、あの山のような和菓子が全て消えていた。